興味あること=好きなこと、とは限らない理由とは?

一般的に興味について説明する際には、「興味あること=好きなこと」と表現されることが多いです。

 

あなたも「興味=好き」と理解していませんか?

しかし、その理解で興味を考えてしまうと、逆に自分の興味が見えなくなってしまうことがあるんです。

 

今回は、キャリアを考える上で理解しておくべき自分らしさの一つである「興味」について、正しく理解するためのお話です。

「興味」とは?

興味あること=好きなこと、とは限らない理由をお話する前に、まずは「興味」について正しく理解するところからスタートします。

 

興味とは、ある対象に対する特別な関心を意味しますが、もっと具体的に定義すると次のようになります。

 

興味 = 特定のモノ・コト・ヒトに対して、「もっと知りたい」「もっと関与したい」と感じて心惹かれること

 

興味は、自分の才能を発揮する方向性を決めて、才能を発揮するためのエネルギーを生み出す役割を果たします。

 

人は興味や関心のないものに対しては、才能を使ってエネルギーを注ごうとは思いません。

逆に、興味を惹かれるものに対しては心が刺激され、そこに才能とエネルギーを自然と注いでしまいます。

 

つまり、自分の興味が理解できると、どんな分野や領域で仕事をすると、自分の才能をより発揮でき、自分らしく働くことができるのかがわかるようになるのです。

 

自分らしい仕事を見つけるためには、自分の興味を理解することはとても重要になります。

興味あること=好きなこと、とは限らない理由

自分らしい仕事を見つけるために重要な役割を果たす「興味」についての理解ができたところで、冒頭のお話に戻ります。

 

「興味あること=好きなこと」で考えてしまうと、どうして自分の興味が見えなくなってしまうのでしょうか?

 

一般的に「興味あること=好きなこと」と表現されることが多いのは、わかりやすく単純化するためです。

そして、そのような情報に多く触れることで「興味=好き」が無意識に刷り込まれています。

 

たしかに、興味あること=好きなこと、というのは完全に間違いという訳ではありません。

 

ただし、興味=好きと考えてしまうと、自分の興味を正しく把握できないことも発生してしまいます。

なぜなら、興味を「自分が好きなことは何か?」と単純に考えてしまうと、「興味」と「才能」と「価値観」を混同しやすくなるからです。

 

興味=好きと単純に考えてはいけない理由には、人間の感情が関係しています。

 

「好き」というのは、ポジティブな感情(楽しい、嬉しい、面白い、安らぎ、など)を自分に起こさせてくれる対象に対して抱く感情です。

 

しかし、このポジティブな感情は、興味あることに触れている時だけでなく、才能を発揮できて充実している時や、価値観が満たされている時にも湧き上がってきます。

 

そのため、「好き」という感情だけで自分の興味を理解しようとすると、「興味」と「才能」・「価値観」が混同してしまうことが発生します。

 

例えば、興味について質問した時に、返ってくることが多いものに「私は人と話すことが好きです」という回答があります。

この場合は次の2つのパターンが存在します。

 

人と話すことが得意なので、楽しく会話できるから好き ⇒ 才能を発揮できるから好き

  話術について勉強していて、学んだ心理学を会話で試すのが楽しくて好き ⇒ 興味が刺激されるから好き

 

他には、「私は自分が成長できることが好きです」といった回答の場合にも、次の2つのパターンが存在します。

 

成長することを大切にしていて、それを実現できると嬉しくなるので好き ⇒ 価値観が満たされるから好き

どうすれば成長できるかを知りたくて、調べて実践することが面白くて好き ⇒ 興味が刺激されるから好き

 

このように、「好き」を基準にしてしまうと、「興味」なのか「才能」なのか「価値観」なのかが、自分でもよくわからなくなってしまいます。

 

興味かどうかのポイントは、その対象に対して「もっと知りたい!」や「もっと関与したい!」と感じて心惹かれているかどうかです。

 

「これが私の興味あることなのかな?」と思ったら、そのモノ・コト・ヒトについて、調べたり、本を読んだり、勉強したり、積極的に近づいたり、話をした経験があるかを確認してみましょう。

自分の興味を知るための3つの質問

最後に自分の興味を知るための方法の紹介です。

自分の興味を知るために一番効果的な方法は、過去の経験の中から「知りたい」や「関与したい」と感じたモノ・コト・ヒトを思い出してみることです。

 

そこで3つの質問を紹介します。

ぜひ、回答を書き出してみて、そこから自分の興味を見つけてみましょう。

 

これまでの仕事の中で、やらなくていいと言われても勝手に取り組んでいた仕事や、指示された訳ではないのに自分で一生懸命に調べたモノ・コトは何でしたか?

 

 子供のころから現在までを思い出して、仕事以外のプライベートにおいて、時間とお金を費やしてきたモノ・コトは何でしたか? そこから見えるあなたの興味(「もっと知りたい」「もっと関与したい」と感じて心惹かれること)は何ですか? 

 

● スマートフォンやSNSの履歴からわかる、あなたがよく検索したり動画を観てしまうモノ・コト・ヒトは何ですか? 

まとめ

興味 = 特定のモノ・コト・ヒトに対して、「もっと知りたい」「もっと関与したい」と感じて心惹かれること

興味は、自分の才能を発揮する方向性を決めて、才能を発揮するためのエネルギーを生み出す役割を果たす

自分の興味が理解できると、どんな分野や領域で仕事をすると、自分の才能をより発揮でき、自分らしく働くことができるのかがわかるようになる

興味=好きと考えてしまうと、「興味」と「才能」・「価値観」が混同してしまう可能性がある

興味かどうかのポイントは、「もっと知りたい!」や「もっと関与したい!」という思いが沸き上がり、それを行動に移した経験があるかどうか