やりたいこと志向 良いタイプと悪いタイプ

「やりたいこと志向」って聞いたことがありますか?

 

これは「やりたいことをやる」という価値観を中心とした就業意識のことをいいます。

この志向を持つ人は、自分のやりたいことや好きなことを仕事にしたいと考えます。

 

やりたいこと志向をもつ人は20代、30代に多くいると言われています。

そして、「やりたいこと志向」には良いタイプと悪いタイプの2つがあります。

 

もしあなたが「やりたいこと志向」を持っているのであれば、そのタイプはどちらでしょうか?

 

自分の「やりたいこと志向」のタイプを知ることは、やりたいこと探しにも役立ちますので、ぜひ続きを読んでみてください。

やりたいこと志向の2つのタイプ

やりたいこと志向には、良いタイプと悪いタイプの2つがあります。

 

良いタイプ ⇒ 受容的やりたいこと志向

悪いタイプ ⇒ 排他的やりたいこと志向

 

 

それぞれのタイプの特徴を見ていきましょう。

 

良いタイプ:受容的やりたいこと志向

良いタイプのやりたいこと志向を「受容的やりたいこと志向」といいます。

 

受容的やりたいこと志向は、自分のやりたいことは大切にしながらも、周囲からの期待や求められている役割なども柔軟に受け入れていくタイプです。

 

このタイプの人は、自分のやりたいことを持ちながらも、それを現実の仕事で求められている役割などと擦り合わせていきます。

さらに自分のやりたいことの実現のために、仕事や自己啓発にも励みます。

そうやって、自分のやりたいことを「自他ともに意味のあるやりたいこと」へと昇華させます。

 

例えば、会社員の場合では次のような行動を取ります。

 

会社の中で与えられている自分の役割や期待されていることを理解した上で、その中で自分のやりたいことを実現する方法を考えます。

そして、仕事の仕方を工夫したり、周囲に働きかけたりします。

これにより、自分のやりたい仕事を実現しながら、それを周囲が応援してくれる環境も作っていきます。

 

また、独立して働く人の場合では次のような行動を取ります。

 

自分のやりたいことの中から、社会や人の役に立つことを考えて、事業を創造します。

そして、自分がやりたいことを行いながら、さらにそれを支持してくれる人が多くいるような事業を実現していきます。

 

悪いタイプ:排他的やりたいこと志向

一方で、悪いタイプのやりたいこと志向を「排他的やりたいこと志向」といいます。

 

排他的やりたいこと志向は、自分のやりたいことしかしないという自己中心に偏ったタイプです。

 

このタイプの人は、自分のやりたいことだけに固執して、周囲から求められている役割などを軽視します。

そして、自分がやりたくないことからは逃げたり、手を抜いたりします。

そうして、周囲からは「厄介な存在」だと認識されるようになり、孤立していきます。

 

例えば、次のような行動をとります。

・希望の会社に入社したとしても、やりたくない仕事を引き受けることが増えると嫌になって逃げ出す。

・仕事の幅を広げようとしなかったり、実現可能性の低い職業ばかり追いかける。

・いろいろな理由をつけて仕事をせず、社会と接点をもてなくなる。

・「私はやりたいことを目指しているからいいんだ!」と自分を正当化する。

やりたいことを見つけるために必要なこと

ここまでは、やりたいこと志向の2つのタイプについて見てきました。

あなたは、良いタイプ、悪いタイプ、どちらのタイプに近いでしょうか?

 

悪いタイプのやりたいこと志向の場合は、「自分のやりたいことだけやりたい」と言いつつ、肝心な「やりたいこと」が曖昧であることも多いです。

 

それは、やりたくないと感じたことから逃げてしまったり、自分の今の興味に基づいた情報しか収集しなかったりすることが原因となります。

 

そうなると、視野が狭まるだけでなく、行動が少なくなります。

そして、行動しないため経験も乏しくなり、自分自身を理解する機会を失ってしまいます。

 

そうすると、本当に自分が「やりたいこと」もよくわからないまま、その場の感情だけで「やりたい」「やりたくない」を判断して行動していってしまいます。

 

一方で、良いタイプのやりたいこと志向の場合は、「ちょっとやりたくないな」と思った仕事でも、その仕事を受け入れてチャレンジすることで、視野や仕事の幅が広がり、新たな発見をすることが多くなります。

 

そうすると、「私はこれに興味があるんだな」とか「これには心惹かれないな」と感じる経験を多くすることになり、自分の興味が明確になっていきます。

 

また、周囲から求められている役割や期待されていることを知ることで、「私ってこういうところが評価されているのかな」「何で私にこの役割を任せてくれるんだろう」と考える経験をします。

そういった経験を通して、自分の才能や強みを理解することにつながります。

 

こうやって自分を理解していくことで、自分のやりたいことも明確になっていきます。

 

やりたいことを見つけるためには、良いタイプのやりたいこと志向を持ちましょう。

自分のやりたいことは大切にしながらも、周囲からの期待なども柔軟に受け入れていくことができれば、自分のやりたいことが明確になり、さらにその実現を周囲が応援してくれるという好循環が生まれやすくなります。

まとめ

「やりたいこと志向」には良いタイプと悪いタイプの2つがある

良いタイプ ⇒ 受容的やりたいこと志向

悪いタイプ ⇒ 排他的やりたいこと志向

受容的やりたいこと志向は、自分のやりたいことは大切にしながらも、周囲からの期待なども柔軟に受け入れていくタイプ

排他的やりたいこと志向は、自分のやりたいことしかしないという自己中心に偏ったタイプ

やりたいことを見つけるためには、受容的やりたいこと志向をもつことが必要

 

(参考資料)「職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査」 独立行政法人 労働政策研究・研修機構